vistagraphics

カバーピクチャー / Advanced Functional Materials / Volume 35, Issue 39 September 25, 2025

https://advanced.onlinelibrary.wiley.com/toc/16163028/2025/35/39

Abstract

褥瘡(じょくそう)は、特に可動性が制限された患者において医療分野で大きな注目を集めている。現在の褥瘡モニタリング方法は主に物理的信号のみを解析しており、患者の状態を正確に評価するには不十分である。生体液には、圧力による組織損傷や潰瘍形成を包括的にモニタリングするための新たな洞察を与える豊富な化学的情報が含まれている。しかし、多機能センシング能力やオールインワン解析ツールの不足が、臨床現場での実用的応用を妨げている。本論文では、褥瘡および衛生管理の機械的・化学的側面をリアルタイムかつin situでモニタリング可能な、バッテリーフリーの無線マルチセンシングデバイスを紹介する。このデバイスは、光電子式圧力センサー(≈10 kPa)、温度センサー(≈40 °C)、室温で動作し抗菌特性を有するppmレベルの高選択性NH3ガスセンサー、さらに近距離無線通信(NFC)読み取り回路を搭載している。圧力集中部位における機械的・化学的条件を相互信号干渉なしに同時かつ連続的にモニタリングできる能力が実証された。さらに、様々な身体条件を持つ被験者を対象としたヒト実験により、本デバイスのユーザビリティとマルチモードセンシング能力が検証され、実臨床環境における実現可能性と堅牢性が示された。

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